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世界初の新技術 次世代の乗り物「DMV」
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平成17年5月8日 
  世界初の新技術 次世代の乗り物「DMV」
JR北海道「デュアルモードビークル」の開発から完成まで

BNN(北海道のニュースサイト)

JR北海道が開発を進めるデュアルモードビークル(以下、DMV)は、国内はもとより世界中から注視されている。
文:浅野

JR北海道苗穂工場内を走行するデュアルモードビークル



 DMVは線路上でも道路上でも走れる次世代の乗り物。これまで国内や海外でも開発が行われた事例はあったが、成功には至らなかった。
 DMV開発に取り組んだJR北海道では、昨年1月に第1号の試験車を完成させ、夏季、冬季の走行試験を経て、本格導入に向けた調整を行っている。
 さらに2両編成となる2号機の開発もスタート。線路とレール双方を走ることができる新ビークルの道内デビューが、日一日と近づいているのだ。

■ 開発への道程

 JR北海道の道内走行線路は計2,500キロ。そのうち3分の1に当たる800キロの輸送密度は、1日500人未満と利用者が非常に少ない。過疎化や少子化の影響を受け、ローカル線といわれる路線の営業実績が、JR北海道の経営を圧迫しているのだ。
 しかし、こうした現状を踏まえたとしても、地域の足として根付いているローカル線を廃線するという選択は、容易にできるものではない。沿線自治体にとって、JRの廃線はさらなる衰退を招きかねない死活問題に直結するためだ。
 そのため、JR北海道では採算割れ路線でのワンマン化や、駅業務の外注化、無人駅化などで対応してきたが、経費削減に限界があることは、まぎれもない事実。
 そこで生まれたのが「線路を有効活用し、会社の現状に合わせ、身の丈にあった開発を行う」という発想。レールと道路を走れる車両を開発するという、いまだかつて誰も成し遂げたことがないプロジェクトが開始された。

■ 一度は途絶えた“夢”

 DMV開発のプロジェクトチームが発足したのは2002年10月。
 それに先立つ1999年にも、DMVのプロジェクトがJR北海道苗穂工場で密かに実施されていた。しかし、鉄道事業法に合わせた車両の開発を進めた結果、法に合致した車両の開発は困難を極めた。
 鉄道事業法は厳しい。これに見合った乗り物で、なおかつ線路と道路での走行を可能とするには、さまざまな難題をクリアしなくてはならなかった。
 そのため、開発は1年半で一時中断。夢の車両づくりは頓挫したかに見えた。
 再びスタートしたプロジェクトでは、鉄道事業法ではなく軌道法に合わせて車両を開発。軌道法の規定は、鉄道事業法よりも若干緩かったためだ。何としてもレールと道路を走行できる車両を開発しようと、技術者は知恵と技術を開発に注ぎ込んだ。

モードチェンジ部分に進入するDMV(JR北海道苗穂工場内の試験路)



■ 廃車寸前の中古車

 プロジェクトの構想は、バスを線路上に走らせるというものだった。そのため開発にまず必要となったのは、1台のマイクロバスだった。
 開発は一度途絶えた経緯がある上、まったくの手探りで進めるほかなかった。開発費も限られるため、開発に携わる次世代車両開発プロジェクトのメンバーは安値で購入できる中古車のマイクロバスを、札幌市内はもとより、市近郊の中古自動車屋を探し回った。
 中古のマイクロバス探しは、プロジェクトメンバーが休日を返上して行った。それでも開発に見合ったマイクロバスを見つけるには3ヵ月の期間を費やした。ようやく見付けたのはボロボロで廃車寸前の中古車だった。
 その中古バスは、技術者たちの手によって蘇り、いまでは試験路を颯爽と走行している。

■ 列車と自動車

 「僕たちは列車の技術者。だから自動車がどう制御されているのかは全く分からなく、正直、何をどうしたらいいのかという状態だった」と、開発当初の様子を振り返るのは、次世代車両開発プロジェクトの荒川洋主席だ。
 JR北海道の技術者たちは、広大な面積を有する雪国ならではの気候を克服すべく、独自の開発に取り組んできた。職人気質の技術者が多く、開発にかける熱意は並々ならぬものがあった。
 当然ながら、列車と自動車の構造は異なり、自動車の改造は容易でなかった。そのため開発は自動車メーカーの技術者らの協力を得て進められた。

■ ミリ単位への挑戦

 クリアすべき課題は山積していた。道路上を走る状態からレールに乗る状態に変換するまでの時間短縮、道路走行時に収納可能な鉄車輪のサイズ、走行の方法、車検に通る車両にするためには、重さや長さの規定もある。世界初の技術を搭載した車両を開発するだけに、手本などあるはずもなく、課題をひとつひとつクリアしないことには、開発は進まない。
 中でも最大の難関は、レール上に移動する「モードチェンジ」の際に、車両と軌道のセンターを合わせることだった。
 次世代車両開発プロジェクトの難波寿雄主幹はこう語る。「軌道と車両のセンターが10ミリずれると車両は軌道に乗ることができない。軌道にも寸法の狂いがあることを見込み、結果的に狂いがあっても車両がセンターに乗るように、鉄車輪の幅を調整した」。
 モードチェンジに要する時間は10秒から15秒。車両の横にスライドする格好で設置したガイドローラーが車両を軌道のほぼ中央に導く。軌道は、乗り始めのレール幅を通常の1067ミリより広い1137ミリにし、走行してから約2メートルで通常の幅に戻す工夫が凝らされた。
 実際に試乗をさせてもらい、道路から線路に乗り換える動作をじっくり見学させてもらったが、その動きはスムーズそのもの。
 開発に携わるさまざまな人たちの思いや努力が結集された車両は、2年後の実用化に向けて、着々と準備が進められている。
 大きな壁に阻まれたたとき、プロジェクトメンバーの荒川主席は「完成してお客さんが乗ってくれたときの笑顔や喜ぶ姿を思った」と語る。

■ 試験運転を乗り越えたプロジェクトチーム

 颯爽と駆け抜ける黄色の車両。プロジェクトチームの手によって開発されたDMVの試験車は、夏季は石狩月形、冬季は日高本線で試験運転が行われた。
 試験では耐久性や安全性、乗り心地を調査。中でもプロジェクトチームのメンバーが頭を抱えたのは、乗り心地の問題だったという。
 DMVの鉄車輪は径が通常の列車より小さいため、継ぎ目や線路の状態が悪いと、車両に大きな振動が出てしまう。このため、バネの部分に改良を加え、乗り心地を改善。鉄車輪を降ろす際に使用する油圧をバネ変わりにすることで、乗り心地を向上させた。

■ 高まる期待

 DMV試験車の完成は昨年1月に発表されたが、反響は大きいという。
 これまで1,000人以上もの人が試乗。道内はもとより、国内の自治体からも見学者が訪れてるほか、スロバキア大使館やワシントン大学などからも問い合せがあるという。
 次世代車両開発プロジェクトの難波寿雄主幹はこう語る。「試乗して下さった方々からは『1日も早く実用化してほしい』とか『実用化になったらうち(の自治体)にすぐにでも導入したい』という声をいただきました。DMVは道内だけでなく、多くの方に必要とされている車両。必ず実用化させなくてはという使命を持っています。DMVの実用化を通じて経済の活性化の手助けができればと考えています」

※以下に5分×3の動画紹介あり
http://www.bnn.cc/modules/mymovie/viewcat.php?op=&cid=6

※以下の「2004/8/11 JR北海道が新型車両「DMV」を開発・走行試験」にも2種類の動画紹介あり
http://www5.hokkaido-np.co.jp/movie/topic.php3
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