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無題ドキュメント
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設立趣意書
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■□印刷用ファイル□■
−設立趣意書(印刷用2ページ):Word[43KB]、pdf[15KB]
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平成17年12月16日
株式会社ライトレール
1.目標は交通問題の解決
我々の目標は、道路渋滞・大気汚染・交通事故・通勤地獄・公共交通の低利便性や衰退といった交通問題を解決し、さらには交通を通して地域の活性化に貢献することである。交通問題の多くは、現代社会の生活がクルマに過度に依存していることが原因である。クルマは、多くの場面で便利な交通手段だが、空間利用が非効率・エネルギー利用が非効率・環境負荷が大きい・交通事故が頻発といった問題点を持つ。しかし、だからと言って我々の生活様式を江戸時代に戻す訳にもいかないし、発展途上国の発展を引留める訳にもいかない。
クルマへ過度に依存した交通体系や生活様式から脱却するには、交通システムの“所有”から“利用”への転換を図るべきである。各人が“個別”交通システムを“所有”するのでなく、“共用”交通システムを“利用”できる社会を実現する。それにより、効率的な空間利用・効率的なエネルギー利用・小さな環境負荷・高い安全性を達成し、人々の利便性や幸福度を犠牲にすることなく交通問題を解決することを目指していく。
2.求められるは民主導の交通事業の展開
“共用”交通システムとしては、鉄道・LRT(次世代型路面電車)・航空・船舶・バス・デマンドバス・タクシー・乗合タクシー・カーシェアリング・動く歩道・レンタサイクルその他、人類が既に獲得したテクノロジー、選択肢は多々ある。そして、それらを活用して交通サービスを生産・販売する主体は、自由な経済活動を許容された民間事業者とすべきと考える。なぜなら、規制または保護されると、良質サービス提供や最新テクノロジー導入のインセンティブが不充分となり、高いパフォーマンスの経営を期待できず、良質な交通サービスが実現されにくいからである。
時代の趨勢は、規制緩和・構造改革・官業の民間開放・小さな政府といったキーワードが象徴するように「民でできることは民で!」である。公共交通事業は、企業会計としては赤字でも社会的便益を考慮した費用便益分析で黒字なら、税金を投入して存続あるいは新設すべきという議論がある。しかし、無節操な税金投入は、事業者のモラルハザードや政治家の我田引鉄を招き、社会的に好ましい結果とならないケースが多い。社会的目的を達成するのに必要な公的資金は投入し、しかし民間事業者の企業努力の芽を摘まず、また過剰投資を生まない仕組みとして、民主導の交通事業の展開が求められていると考える。そして、それを実現する条件は「官」から降って来るものではなく、現場やマーケットやテクノロジーを知っている「民」が構想・提案・行動して自ら勝取るべきである。
3.事業展開を妨げる運輸政策の問題点
現行の運輸政策では、全産業分野ともに規制緩和が進む中、交通事業も民間企業の自由な経済活動という建前になっている。しかし、交通事業の枢要である鉄道・軌道事業に関して、実態として自由な経済活動が妨げられている点が大きく3つある。
(1) 事業者は利潤最大化の価格設定権を与えられていない
(2) 最大の競合商品であるクルマが受益に応じた費用負担をせず、競争条件が不公正
(3) 鉄道・軌道運転士の免許基準が高く、他産業と比べて人件費が高騰
(1)は、民の自由な経済活動の根幹を侵害するものであり、特に通学定期の高率割引が鉄道・軌道事業の事業性を著しく損なっている。(2)の典型として、官民ともに集客施設等の駐車場が無料または格安な一方、公共交通での来訪者は交通費を自己負担している。(3)の具体的数値として、同じ運輸業界であるバス・タクシー・トラックと比較して単位運行時間当りの運転士人件費は数倍である。ただ、タクシー・トラック業界が適正とは言いがたく、その中間に適正解があろう。
(1)(3)に関連するが、廃止された岐阜路面電車の通学定期運賃がサービス低下した代替バスの半額以下、運転士人件費が代替バスの倍以上だったという事象には疑問を感じざるを得ない。
4.運輸政策の改善提案
我々は、交通事業が真に自由な民による経済活動となり、地域や場面に応じた最適なテクノロジーが活用され、効率的な経営の下、良質な交通サービスが提供されて交通問題が解決される社会とするため、中央及び地方の政府に対し以下を求めていく。
(1) 事業者へ利潤最大化の価格設定権を与え、交通弱者へは利用補助等
(2) 最大の競合商品であるクルマへ受益に応じた費用負担をさせ、競争条件を公正化する
(3) 鉄道・軌道運転士の免許基準を、安全担保の仕組みに応じて適正化
(1)に関して、現行の運賃認可の実態は鉄道・軌道が交通機関の中で独占的地位を占めていた時代と変っていない。特に地方では交通機関分担(市場占有)率が数%と市場支配力を失っており、事業者へ低運賃を強いる政策的根拠は薄れた。一方、学生・高齢者・身体障害者等へ多額の負担を求めることは社会的に望ましくないので、政府の仕事として利用補助すべきである。その際、交通事業者のモラルハザードを招かぬよう、交通弱者へ補助しその使い道は本人に任すこととする。その他、「市場の失敗」を回避するための政府の役割を明確化し、都市から地方への所得再分配や参入障壁引下げによる競争環境の維持等のための公的支援は実施する。公的支援としては道路占用費免除・設備投資補助・撤退時の原状回復費免除等を想定する。(2)は、駐車場料金の適正化・道路整備への一般財源投入の減額・公債発行による高速道路建設の取りやめ・環境負荷を費用換算した本人負担等である。(3)は、運転操縦の簡易化・操縦ミス時のバックアップシステム導入を条件に規制緩和する。
5.DMVを活用した新たなビジネスモデル
我々は、JR北海道が開発中のDMV(デュアル・モード・ビークル)すなわち線路・道路兼用車両が、地方鉄道・路面電車の経費を革命的に低減し、かつ利便性も向上できるのではないかと注目している。DMVは、在来の鉄道・軌道車両と比較して大幅に低価格かつ高性能で、さらには線路外の大規模施設へ直接乗入れられ、また運転操縦、特にブレーキ操作が簡易である。
DMVを活用した新たなビジネスモデルにより、多額の経費を要さずに在来路線を大幅にサービス改善し、利用者を増やして健全経営とできる可能性がある。特に、運転士の免許基準が規制緩和されれば、バス会社等へ運転業務を委託できることとなり、コスト減と同時に、地場企業と連携して並行バス路線を合理的なネットワークに再編し、採算性を大幅に向上できる。
6.経営の進め方
4.の(1)〜(3)の内容を整理して「特区、規制改革・民間開放集中受付月間」において応募し、政府へ様々な運輸政策の変更を要望している。その際、具体的案件における政策変更の効果、すなわち交通利便性の向上・多額の公的補助を要さない民間経営の実現等を明示し、社会の理解を得ていく。具体的案件とは、岐阜路面電車再生・池袋LRT・いすみ鉄道経営改善・銚子電鉄経営改善・札幌路面電車近代化・宇都宮LRT等である。(1)〜(3)の全てを理想的に実現できなくとも、少し実現できるだけで交通事業を民主導で展開できる余地が生れる。そして、小さな成功を積上げてより大きな政策変更への機運を盛上げ、段階的に理想を実現していきたい。
その他、交通システムの“所有”から“利用”への転換の発想に基づき、レンタサイクル事業に取組む。具体的案件は、放置自転車問題の解決を迫られている池袋におけるビジネス展開であり、放置自転車撤去及び駐輪場管理とセットでの事業展開を目指している。
鉄道・軌道事業に関しては、当初はコンサルティング業務に特化し、具体的案件の事業化の目途が立った時点で、その地場の資本も入れた事業会社を設立する。放置自転車対策関連事業に関しては、初期投資もそれほど多額でないことから、早期の事業化を目指す。
※DMVに関して、JR北海道と一般的な意見交換はしているが、現時点では正式の提携関係の構築等をしている訳ではない。 |
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