ライトレール
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第37回交通ビジネス塾(10/09/13) |
開催案内
■日 時
2010年9月13日(月) 18:40(5分前までに集合下さい)
■テーマ
交通問題をエネルギー問題からとらえ直す
■講 師
早坂房次(はやさか・ふさじ)氏
東京電力(株) 東京支店 営業部 都市ソリューショングループ 副部長
昭和36(1961)年、東京都生まれ。
84年、早稲田大学 政治経済学部 経済学科卒。
同年、東京電力(株)入社。企画・広報・営業部門に勤務。
90年、慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 修士課程修了(MBA)。
(社)再開発コーディネーター協会 個人正会員。
(再開発プランナー・マンション建替えアドバイザー)
(N)石油ピークを啓蒙し脱浪費社会をめざすもったいない学会 会員。
一般社団法人金町エリアマネジメント推進協会 理事。
経営管理学会 会員
現在、環境・省エネ・防災を考えた街づくり業務を担務。
そのためのキーファクターの一つである交通問題にも関心。
交通問題のキー・テクノロジーの一つである鉄道技術を通じ、
(株)ライトレールの阿部社長と知合う。
今回の講師は、東京電力(株) 東京支店 営業部 都市ソリューショングループの早坂副部長です。
最近、こんな講演をされています。
6/2 (N)石油ピークを啓蒙し脱浪費社会を目指すもったいない学会
『持続的社会構築を考える』(資料閲覧は会員限定)
6/9 都市再開発法制研究会『脱化石燃料時代の成長戦略を考える』
以下、ご本人からの当日のお話に関するご紹介です。
世界人口は2009年時点で68億人と推定されています。60年前の1950年には25億人、10億人を超えたのも18世紀に入ってからです。世界人口は2050年には91億人になる見込みです。僅か100年で4倍弱、300年で10倍近くにまでなります。
この人口増加は、蒸気機関の発明などエネルギー革命による世界的な分業の拡大と生産力の向上が背景にあります。世界的な分業の拡大のバックボーンは、とりもなおさず運輸・交通システムです。もちろん生産力の拡大にも、運輸・交通システムは深く関わっています。
パックス・ロマーナを支えたローマ帝国の道路網も、帝国の崩壊以来、今世紀に入った後のアウトバーンなどまで大規模な拡充は行われませんでした。これから日本の少子高齢化が本格化する一方、BRICSに代表される新興国の発展によって国際競争力の維持が懸念されます。ローマの例に限らず、日本も道路網などインフラの維持管理をいかに行なっていくかが大きな課題になっていきます。ローマ市民の生活レベルまでヨーロッパの生活水準が回復するには、17世紀まで待たねばならなかったと言われます。我々の生活レベルが下がることが無いというのは幻想です。
食糧自給率が40%しかないとマスコミを賑わすことがありますが、日本のエネルギー自給率は2007年度で原子力を除くと4%、原子力を含んでも18%しかありません。日本の2008年度の輸入額は71.9兆円で、そのうち石油・天然ガス・石炭といった鉱物性燃料は24.5兆円と34%を占めています。これに対し食料品は6.0兆円と8%に過ぎません。世界が資源の奪い合いになると日本は海外から化石エネルギーを買い続けられるとは限りません。これからの取り組み如何によってこれは大きく変わります。
化石燃料は有限です。資源には@濃縮している、A大量にある、B経済的な位置にあるという条件があります。資源とは質が全てなのです。2008年度の日本の最終エネルギー消費の23.6%を運輸部門が占めています。その運輸部門のうち電力の占める割合は僅か2%しかありません。この2%は鉄道で、他の全ての交通手段が現在は化石燃料に依存しています。運輸部門のエネルギー消費の2%しか電力が占めていないということは、鉄道のエネルギー効率の高さの裏返しです。
私から問題提起したいことは、『安い化石燃料の時代は終わった』ということです。講義ではこの背景についても説明します。人類の歴史を一万数千年とすると、化石燃料を大量に使える時代はほんの『一瞬』かも知れません。人類は採掘しやすい所から化石燃料を使ってしまっているのです。これからは質の良い化石燃料がだんだん少なくなり、最近流出事故で話題のメキシコ湾の海底油田のように、採掘条件の悪いものや質の悪いものに頼らざるを得ません。
そして、既にお気づきのようにその影響を最も受けるのは運輸部門です。日本の将来の命運を握る一つが将来の交通体系のあり方です。エネルギー業界の立場と都市計画やまちづくりなどに関与してきた経験から、皆さんに交通分野を中心とした日本の将来をエネルギー問題から読み解く話題の提供をさせて頂きたいと思います。活発な質疑を期待しております。
■場 所
豊島区立生活産業プラザ7階 第2会議室 池袋駅東口徒歩6分
■タイムテーブル
18:40〜19:20 講師による講義
19:20〜19:40 参加者の自己紹介
19:40〜19:50 休憩(軽食を用意)
19:50〜20:40 講義のまとめ+フリーディスカッション
20:40〜21:20 懇親会(同会場にて希望者のみ)
■参加対象者
職業として交通に関わっているまたはそれを希望している方
■参加費
社会人3,000円、学生1,000円
■お申込み
以下をinfo@LRT.co.jpへお送り下さい。
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